2012年4月5日木曜日

何が恐いの?


何が恐いの?

糖尿病の合併症について項目ごとに説明しています。 見たい知りたい項目を
クリックして進んで下さい。

糖尿病の症状って何?

糖尿病は、症状がないことが特徴と言ってもよいでしょう。もしあっても口渇や多尿、冷水を欲
するくらいです。手足のしびれや冷感なども初期症状としてあげられますが、正確には糖尿病
性神経症の初期症状です。いずれにしても本人が苦痛を訴えるような症状はまずありません。
しかし、これが問題なのです。熱が出て咳が出たり、お腹が痛めばおそらく受診しますが、
症状がないため放置しておいてしまうのです。そして合併症による症状が現れて初めて受診
されますが、既に手遅れということもあるのです。それでは、その恐ろしい合併症についてお話
を進めていきましょう。

合併症の説明

私たち「がんばって!糖尿病」のスタッフが指導させていただいているのも、お医者さんや栄養士
さんたちががんばってみえるのも、そして糖尿病の人が、血糖コントロールに気を使って、定期
受診をしたり、食事や運動を守ったり、あるいはインスリン注射を行っているのも、すべて合併症
の予防のためなのです。

血糖コントロールが不良で、高血糖が続くと体内のいたる所を走行している血管そのものが徐々
に障害を受け、その結果様々な臓器に異常が出現します。また高血糖そのものも、時に体内の
バランスを崩す結果となり、死につながる糖尿病性昏睡などを引き起こします。
こういった状態を総じて糖尿病性合併症と言います。
三大合併症として、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経症があげられますが、
実際には、これ以外にいわゆる動脈硬化性の疾患が多く、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病性壊疸
(末梢血管が閉塞するため足の指などが腐ってくる)などがあります。
また感染症を受けやすくなることから、感染症も一つの合併症と言えるでしょう。 
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糖尿病の合併症一覧

下の図は、合併症をまとめたものです。(以前のモデルが健康的すぎたので、HT先生の
当時の教え子の看護学生さんに協力してもらいました。今は看護師として活躍中です)

糖尿病で、最も出現しやすい合併症は、糖尿病性神経症です。これは、血糖値の異常がある程度
続くと出現すると言われていますが、初期であれば血糖コントロールを改善すると、症状も改善する
ことがよく見られ、医師は血糖コントロールの一つの目安として神経症状を尋ねることもあります。


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また糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症の進行は、体質も左右するようですが、やはり血糖コントロール
不良の状態が長期間続くと進行していきます。網膜症や腎症は、いずれもある程度進行してこない
と自覚症状がないため、ある日突然目の前が真っ赤になり視野が欠けてくる眼底出血などによって
初めて眼科を受診することも少なくないようです。網膜症、腎症の定期的な検査は、内科医も勧める
ところですが、ご自分でも年に一回は眼底検査などを受けるようにしましょう。

血糖コントロールが悪いと感染症にかかりやすくなります。糖尿病の方が肺炎などで入院すると医師
はまず最初に血糖値を正常化させることを考えるくらい、高血糖は感染症に弱いのです。

上の図に示せなかった合併症もありますが、次に一つ一つについて説明していきます。
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糖尿病性神経症

初期の糖尿病性神経症は多くは末梢神経に現れてきます。手足がしびれる。虫がはっているような
気がする。紙をはさんで触っているような感じがする。などと訴えられる人が多いようです。これらは深部
知覚と分類される神経の障害です。しかしこれが進んでくると、異常知覚として痛みを感じたり、逆に
足の指が腐ってきていても痛みを感じなかったりしてきます。また熱さがわからないため、熱湯のお風呂
に入り、全身熱傷(やけど)をされた人もみえます。

神経と言うと、知覚や運動の神経のみが考えられがちですが、体を調節している自律神経なども侵され
てきます。

人は緊張状態の時とリラックスした状態では、体のいろいろな機能に違いがあります。例えば夜眠ってい
るのに、息が荒かったり脈は速くありません。また喧嘩しているときにあくびがでて、低血圧でふらついた
りするようなこともありません。この様に人は自律神経によって、種々の臓器や器官の働きを調節している
のです。ところが、糖尿病はこの自律神経も障害してきます。胃腸機能の調節も自律神経が行っており、
これが障害されると便秘症などになります。血圧の調節が狂い、立ちくらみやめまいなどの原因となります。
また排尿などの調節、性的作用の調節なども狂い様々な障害がおこってきます。

こう言ったように糖尿病性神経症は、すぐに命に関わる障害は少ないものの、生活の中で多くの不都合を
生じ、何かと問題になることが多い合併症です。治療は、何よりも血糖値のコントロール、そしてビタミンB12、
その他の薬剤が用いられています。 
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糖尿病性腎症

人は、体で不必要となったものを、腎臓から尿として捨てます。同時に血液中や細胞液の電解質バランスを
保つ働きもしています。また血液を作る命令も腎臓からホルモンとして分泌されています。糖尿病性腎症は
こう言った働きをする腎臓を障害します。

一般に血糖値の異常が出現してから数十年後に発症することが多いようですが、神経症に比べ個人差が
大きく、急速に糖尿病性腎症になる人もみえれば、かなり血糖のコントロールが悪くても発症しない人もみえ
ます。しかしいずれにしろ、生じるとやっかいな合併症です。最終的には不全に陥り、透析を必要とします。


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糖尿病性腎症の初期は、尿中に微量のアルブミンが漏れ出ることから始まります。アルブミンは血液中に
含まれている蛋白の一種です。糖尿病性腎症の初期の検査には最もよく使われています。進行するとこの
アルブミンのみならず蛋白そのものが尿中に多量に漏れ出すネフローゼ型の障害(ネフローゼとは、多量の
蛋白尿のため、血液中の蛋白が低下して浮腫(むくみ)などが現れる状態)や、それ以前に腎機能(本来
腎臓が行っている不要な物質を尿中に捨てる機能)が障害され、腎不全に陥ってしまうものもあります。

ちなみに、糖尿病性腎症では腎移植の適応とならず、腎不全の末期に陥ると透析しかありません。予防と
しては、血糖のコントロールをしっかりと行うことが大切で、加えて腎障害が出現し始めたら、腎機能を悪化
させない蛋白制限などの食事療法も大切となってきます。
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糖尿病性網膜症

糖尿病は、眼も侵してきます。水晶体というカメラで言うレンズをくもらせてくるのが白内障ですが、網膜症が
有名です。網膜はカメラで言うフィルム(映画で言えばスクリーン)にあたります。

網膜は、いわゆるスクリーンですから、見た景色を眼のレンズを通してここに写します。ここには、視神経が
集まってきており、写った画像を見たものとして、脳に伝えます。ですから、この網膜が侵されると言うことは、
スクリーンが壊れてくることであり、ものを見ることそのものの障害が生じてきます。
下左の写真は、健康な眼底写真(網膜の写真)です。右は糖尿病性網膜症の進行した眼底です。
変性が進みスクリーンとしての網膜の仕事は果たせず、これではほとんど視力はないでしょう。

糖尿病は、血管そのものを障害しますが、網膜には正常の写真のように血管が走行しており、これが蛇行
したり、出血を起こしたりしてやがて網膜そのものが変化(破壊される)していくのです。

こう言った変化は、知らない間に進行していることが多く、糖尿病と診断されたなら、定期的に眼科で眼底
などの検査を受けておくべきです。血糖値を正常化させることが大切ですが、急激な血糖の降下は、眼底出血
の危険を増やすため、眼科医と相談しつつ治療を進めているのが、現状です。  いずれにしても、早期発見と
適切な血糖のコントロールが大切であることは言うまでもありません。    
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糖尿病による動脈硬化性の疾患

(動脈硬化って何?)

糖尿病は、血管そのものを障害してくると述べましたが、当然この結果、動脈硬化が正常の人より速く進んで
きます。一般に「糖尿病の人は10年動脈硬化が進む」とも言われています。

動脈硬化・・いったい何なんでしょうか? それは、水道のパイプが徐々につまってくるのと同じように、血管の
内側に異物がたまり、徐々に内腔が狭くなると共に、やがて動脈自体が卵の殻の様に硬くなってくるのです。
本来動脈の内側がスムースで、血管自体には弾力があるのですが、動脈硬化はこれらが逆の状態となってく
るのです。


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下の図の左側は、正常血管で、右側は動脈硬化の生じた血管の模式図です。正常に比べ、狭窄があるため
血流に障害を来しており、血管の一番内側の壁は、その形態が破壊されてきています。また血流障害によって、
渦ができ、血栓(血液が固まったもの)ができています。もしこれが、流れに乗ってどこかへ流れていくと、その
場所で、血栓によって血管がつまってしまう可能性があります。

では、そう言った動脈硬化によって、どのような疾患が生じてくるのでしょう? 動脈は人のあらゆる臓器に血液
を供給しているパイプですから、いろんな所で障害が起こってきます。

有名なものでは、心臓を栄養している冠動脈が閉塞(つまる)して起こる心筋梗塞や狭窄(狭くなる)して起こる
狭心症。脳を栄養している血管がつまれば、脳梗塞を、高血圧などによって血管に亀裂が生じると脳出血を起こ
します。また下肢へ流れる血管がつまったりする閉塞性動脈硬化症や動脈硬化によって動脈の壁が裂けて、
その中に血液が流れ込む解離性大動脈瘤などがあります。いずれも重篤な疾患で、死に直結するものです。
下の表に動脈硬化性の疾患の代表名を示しておきます。

脳出血、脳梗塞 心筋梗塞、狭心症
解離性大動脈瘤 動脈瘤(破裂)   
閉塞性動脈硬化症 眼底出血
虚血性腸炎 その他

高血糖による合併症

前のページまでに紹介しましたように、糖尿病では恐ろしい合併症を引き起こすことが知られています。これらは
徐々に体をむしばんでいくのですが、高い血糖値が続くと、それのみでも重得な合併症を来すことがあります。

"糖尿病性昏睡"と言われる状態がそれですが、これは、高血糖そのものによるものと、体が酸性(健康人は
弱アルカリ性である)にかたよってしまうものとがあります。その機序は複雑ですが、いずれも致死率の高い
合併症
であり、発症そのものを予防することが大切です。

では、どのような状態で糖尿病性昏睡が生じるのでしょう? それは、次のような状態にまとめることができます。

・インスリン治療、または内服治療中の人が長期間薬剤を中止した場合。

・過度の不規則な食生活や食事療法を完全に中止した場合。

・発熱性疾患や他の病気を合併した場合。

・過度のストレスや睡眠不足などの状態が続いた場合。  など

多くの場合は、自己判断でインスリン注射を中止した場合が多いですが、上記の状況などが重なって発症する
場合もあります。症状としては、重得なものになると、昏睡(意識を失う)となりますが、初期には極度な口渇感、
持続する脱力感、急激な体重減少などが生じることがあります。

治療としては、その病態に応じたものとなりますが、基本的には脱水と血糖値の補正が中心となります。

いずれにしても、こう言った状態になるほとんどの方は、定期受診をされなかったり、自己判断で治療を中止した
りされる場合が多く、定期受診の必要性を理解し、特に体調に変化がある時には、早めに主治医に相談すること
をお奨めいたします。   
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 低血糖

低血糖は、文字の如く血糖値が異常に下がった状態です。薬の作用なしに糖尿病の人が低血糖となることは、
まずあり得ません。したがって薬物療法を行っている方は、注意が必要です。尚、薬局のお姉さんのお話の中
でも低血糖は取り上げられているはずですので参考にしてください。

まずはじめに次のように述べさせていただきます。

「低血糖は、それ自体気を付けなければいけませんが、恐がってはいけない」 

低血糖は、突然発症して対処が遅れると危険なこともありますが、初期に適切な処置をすれば何の問題もなく
ほとんど改善します。低血糖を恐れるあまり、いつも血糖値を高くすれば、低血糖は生じませんが、本来の
目的である血糖コントロールが悪くなります。低血糖発作と言うものは、一度経験されるとその後は自己判断
で甘いものを食べるなどの処置をして回避できます。もちろん遷延性の低血糖や、血糖値が異常に上下する
糖尿病の方
に生じた低血糖など特に医師の管理下で治療する低血糖もあります。また自律神経障害が進んで
いる糖尿病患者さん
では、低血糖によって交感神経が刺激されないため、低血糖特有の自覚症状が現れず、
突然意識を無くして倒れたり、意識障害を起こしたりもします。ですから、必ず主治医の指導の元で管理が必要
ではありますが、特にこういった注意や指導を受けていない方であれば、低血糖の意味と症状とその対処方法
を理解していれば、注意は必要ですが、不必要に恐れる必要はありません。
私の患者さんで低血糖を恐れるあまり、自己判断でインスリン注射の量を減らしている方がみえました。どうしても
良好なコントロールができないため、問いただしてわかったのですが、これはもったいないことです。

低血糖の症状は、手指の振るえ、脱力感、発汗(冷や汗)、集中力の欠如、異常な空腹感などが初期症状です。
ほとんどの場合、自己判断できますし、疑ったら低血糖の対処(糖分をとるなど)をしてください。これでその症状
が改善すれば低血糖であったと言う証拠です。また自己血糖測定器をお持ちの方は、ぜひおかしいなと思った
ら調べてください。
しかしここで無理をして放置すれば、徐々に脳細胞への血糖不足(脳細胞は糖分しか栄養とできない)のため
意識混濁、錯乱、記憶障害などとなりやがて昏睡(意識不明)となります。何度も言いますが、初期の症状で
あれば、ブドウ糖、甘いものやジュースなどで改善します。ですから、低血糖を起こす可能性のある薬物療法中
の方はこう言った食べ物を携帯されることを薦めています。
(上記にも書きましたが、こういった低血糖症状が出ずに突然意識障害に陥る自律神経障害を持った方もいます
 ので、必ず主治医の指導の元で指導を受けてください)

 低血糖かな?

大切なことは、

・自分の血糖コントロール状態を正確に主治医から教えてもらう。

・低血糖について(糖尿病そのものについて)理解を深める

・一時の判断であれば、低血糖より高血糖を選ぶ。(低血糖を疑ったら甘いものを口にする)


・一度でも低血糖を経験したらその症状をしっかり把握し、周囲の人にも話しておく

☆低血糖については、個人差がありますので必ず主治医と相談して下さい。



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